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のぼうの城 [成田長親]

和田竜の「のぼうの城」が直木賞候補になりましたね。
なんか受賞してしまいそうな勢いです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080703-00000083-san-soci

久々の歴史小説でのベストセラーですから、このブログをご覧になっている方はすでに読まれていると思います。
http://www.shogakukan.co.jp/nobou/

成田長親なんて「信長の野望」にも出てこない武将が主役です。 
書評ですが、歴史小説が好きではない人にも読みやすいのでそれがベストセラーにつながったような気がします。

いくつか理由があると思うのですが、まずそれぞれの人物の会話が現代風なんですよね。
「俺に指図すんじゃねぇよ」とか「いい度胸してやがる」など、現代の小説と同じ感覚で読める事。

次にキャラクター設定が明確で忍城側の武将や百姓だけでなく、攻撃側の石田三成、大谷吉継もとても
さわやかに描かれています。なんか青春小説のようです。実年齢はいい年だと思うのですが。。
このさわやかさを引き立たせるために攻撃側の長束正家はムカつく奴という設定になっています。
ま、関ヶ原前後にとった彼のどっちつかずの行動を考えると、大谷吉継びいきの私としても好きな武将ではありません。
この小説の中の大谷吉継は、戦経験の少ない石田三成のサポート役として、冷静に戦の状況を判断しています。
間違いなく和田竜も大谷吉継が好きだと思います。

と、ここまで書くとなんとなくノンフィクションの小説な感じがしますが、「忍城戦記」、「関八州古戦録」、「成田記」
などの史料をきちんと参考にしているため、歴史好きもウソ臭くなく楽しむことができます。

ちなみに、「のぼうの城」を読むまでは忍城側は甲斐姫(城主成田氏長の娘)が城代として
男勝りの活躍をしたと思っていましたが、この小説では甲斐姫は戦に参加していません。どっちが正しかったのでしょうか?

「行田昔話」
http://www.gyoda.co.jp/gyodahanasi.htm#osizyo1

また、「のぼうの城」の刊行前に忍城の水攻めをテーマにした小説があります。
うちの近所の本屋では「のぼうの城」の隣に置いてあります。商売上手です(笑)

「水の城 / いまだ落城せず」
http://www.s-book.com/plsql/com2_detail?isbn=9784396334246

それにしても水攻めのために石田三成が造った堤の長さは備中高松城の水攻め時に秀吉が造った堤の
約2倍の七里(約28キロ)。そもそも無茶だったような。。

タグ:のぼうの城
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