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夏草の賦【長宗我部元親の勉強にはこの本を】 [長宗我部元親]

ついこの前、このブログで長宗我部家の歴史に関して書いたのでなんなんですが、長宗我部元親の人生を描いた「夏草の賦」を紹介します。この小説は司馬遼太郎の歴史小説です。

「夏草の賦」は明智光秀の重臣である斎藤利三の妹、菜々が元親に嫁入りするところがら始まります。まだ土佐の半分も平定していない元親が信長と誼を通じようとする点に先見の明があったと思っていたのですが、全編を通じて描かれているのが「土佐がいかに田舎か?」ということです。お隣の阿波(徳島)は海を挟んで本州があったので、比較的中央の文化や情報が入ってきているのですが、土佐は時代遅れのように描かれています。そのような中で信長と誼を通じようとしたのはものすごいことだったんでしょう。美濃から来た菜々はこのカルチャーショックにびっくりします。この菜々の視点からの土佐と元親の人物像が物語を面白くしています。

前半は四国を平定するまでの昇り調子、後半は20年かけて広げた領地を豊臣秀吉の前に土佐一国に削減され、追い討ちをかけるかのように九州攻めで帝王学を学ばせていた長男の信親を死なせてからの落胆振りの落差が描かれています。

もしもう少し中央に近い土地で生まれていれば、、と思わせる武将の一人ですね。


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コメント 4

fuzzy

斎藤利三の存在が面白いです、明智光秀の陪臣(姻戚関係)であるが、
妹を長宗我部家に嫁がせたり、娘お福が春日局であったり、非常に興味深い武将ですね。(光秀=天海説支持派の私)
長宗我部家も四国制覇目前で屈するも名将と云えます、残念なのは天下に覇を成すには情報戦が不可欠になった時代ですから地の利は非常に大きな要素でした。司馬遼太郎氏の作品は安堵感があり、どれも面白く読んでいます。
by fuzzy (2009-12-28 13:05) 

fuzzy

fuzzyさん、コメントありがとうございます。確かに斎藤利三自体はそんなにメジャーではないですが、その周辺の取り巻く人(女性)はなぜか有名なんですよね。私も司馬遼太郎は好きです。人物描写が強引でないところがいいですね。
by fuzzy (2009-12-29 01:47) 

ときこ

突然失礼いたします。長宗我部氏に、阿波で最初に狙われた海部の者です。

私は、海部に関する間違った認識を修正するべく、ホームページを立ち上げています。
http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/index.htm

長宗我部氏が狙った理由は、島弥九郎事件とされています。
しかし、島弥九郎は、海部氏の軍港を偵察に来た斥候のように見えます。

司馬氏が『夏草の賦』でお書きになっている海部観は、間違いだらけです。

海部は阿波で唯一の日本刀生産地で、生産開始は1300年代初頭とみられます。

そして1352年に、京都の重要な戦局で、前線に出向いています。

1445年の港湾に関する根本史料では、海部から兵庫(神戸港付近)へ56回入港し、
その回数は、瀬戸内海・太平洋を含む全体で10位、四国に限れば1位です。

その積荷は木材で、海部は、海運によって特殊な優位を占め、
掠奪・海賊行為をするような、貧しい土地柄ではありませんでした。

海部に関する知識の訂正をお願いいたしたく、何卒よろしくお願い申し上げます。



by ときこ (2010-01-04 14:05) 

fuzzy

ときこさん、はじめまして!コメントありがとうございます!!

ときこさんのホームページに書かれている通り、歴史上の勝者の情報のみが後世に伝わり、それが常識となっているケースは非常に多いと思います。歴史を勉強することで「実は、、」という情報をもって多く知りたいと考えております。貴重な情報ありがとうございました。また何かあったら是非勉強させてください。
by fuzzy (2010-01-10 00:15) 

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